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ふと思いついたので、家の本棚にある本を軽く紹介してみます。
と言うのも、僕は佐藤選哉さんの作曲書の蔵書ページがかなり参考になったので、同じように音楽を学ぶ人の参考になれば良いな…ってのと、自身で同じ本を2冊買わないように(たまにやってしまう)メモ。

□和声法
基本的に和声法というのはトリートメントをするために使うものであって、クリエイトするためのものではないと思ってる。ルールブックみたいなもんだからね。
古典和声では語れない世界というものもあって、そういった現代和声は多岐に渡りすぎて解説書も少ない(パーシケッティの20世紀の和声法とか松平さんの近代和声法なんかは欲しいんだけど手に入らない…
けれど、現代和声も多くは何かしらの古典的な部分を延長した先にあって、何かしらのルールが存在し、それを掴むための一つの武器にはなりえる。
やっぱり、一番の勉強は先人の作品をアナリーゼすることでしかないんだけど、素手じゃ戦えないからね。


○和声 理論と実習 1~3巻
 所謂「芸大和声」。指導者がいるなら定番となるのも頷ける本だけれど、独習するには例も解説も少ない。
 バス課題から始まることや、1~2巻でひたすらルールを進めた後3巻で色々と解禁されていく流れといい(古典和声はそういうもんだけど…)、即戦力を増やしたい人には向いていないと思う。

○和声の原理と実習
 独習向けには芸大和声よりこちらの方が良いと思う。
 僕も最初これで学んでいたのだけれど、先生についてから芸大和声に切り替えて、こっちはまだ最後まで終わってない。

○大作曲家の和声
 絶版。だけど、ちょくちょく新品でもみかける。
 これは音楽史(和声史)としても面白いし、アナリーゼにも役立つし、個人的には非常に気に入っている。ルネッサンス~近代まで、代表的な作曲家と特徴的な楽曲(≠代表曲)を取り上げつつ、各時代各作曲家がどのように和声を拡張していったか、その原理や趣味などがまとまっている本。
 和声的にある程度理解があることが前提なのと、ドイツ式の和声記号が非常に読みにくい(佐藤さんは慣れないと、って書いてるけど僕は未だに慣れない…)事に注意。
 実例も入手しやすいものばかりで、同作曲家の他の作品を自身なりにアナリーゼすることで練習もしやすい。名著。

○日本和声
 絶版に近い。だけど、福田楽譜さんに問い合わせると購入可能。
 簡単に言えば、日本の旋法(陽旋法、陰旋法)の構成音を西洋和声的に組み立てて、新しいルールを作っている本。実例も豊富だけれど、音源やフルの楽譜は手に入らない(入りにくい)ものも多い。
 基本的にHowの提示に終始しており、理論的な部分は自分なりに考えて補完する必要がある。和声感はサウンドとしても説得力があり、自身なりの理論を構築する際にも、僕は根拠に困ることは無かった。僕なりの理論は、そのうち完全に自分のものにしたら、薄い本(薄くないかも)にでも纏めたい。
 複雑な和声についての提示が無い事がやや不満か。


(たぶん)続きます。
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